10数年前―――
これは、アンパンマンが生まれてから1週間後の事だった。
何処かの一室で、男女が会話――― というよりも、持論のぶつけあいらしきものをしていた。
1人は、中年のおじさん。
もう1人は、彼より年上そうな女性。
2人の内、女性がこう言った。
女性 「お前さんはバカだよ。 誰が発明の技術を教えたと思っているんだい?」
おじさん 「それとこれとは、話は別ですよ。 私は、いのちの星がこの星を見捨てる時が来るとは思えない。」
「事実、私がしようとしている事にも、応えてくれた。 いのちの星は、いつまでも我々を見守ってくれるはずですよ」
真っ直ぐと信じるおじさんの発言に、女性を少し黙ったのちにこう答えた。
女性 「分かったよ。後はお前さんの勝手にしな。」
「でもね、アタシはいずれ終わりの時が来ると思うよ。 永遠に続くものなんて無い。」
「だからね、必ずアタシは作ってみせるよ!」
「いのちの星が必要のない生命って奴をね!」
女性は力強く宣言すると、その場を立ち去った。
おじさんは、その姿を黙って見守るしかなかった。
それから10数年後の現在―――
アンパンマンワールドは、今日もばいきんまんが悪さをし アンパンマンが懲らしめたり、困っている人々を助ける いつも通りの日常が繰り返されていた。
しかし、その様子をどこかに潜む誰かが、 モニター越しでその様子見ながら、口元に不敵な笑みを浮かべる。
そして、その背後には巨大な窓があり、 コードらしきものに繋がれた巨大な影が静かに佇んでいたのだった―――
〜アンパンマンと新創獣〜 はじまり
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