ワリオ逆襲?

〜第2話:ワリオ逆襲?〜


午前8時42分頃…

キノコタウン西入り口門前のキノポンの家の家のそばの土管から、
負傷したイヤミン刑事を抱えた、マリオ兄弟がそそくさと出てくる。


マリオ
「よいしょっと。細身の割に重いなコイツ…」

ルイージ
「ねえ、あの人(謎の女)に言われるがまま逃げてきたけど、
大丈夫なのかなぁ?」

マリオ
「怪我人(イヤミン刑事)がいる以上、今はこうするしかない。
それにアイツだって、すぐ追い付くって言ってるんだから、
俺達は俺達の出来る事をしようぜ」

ルイージ
「けど、信じて良いのかな?ついさっき会ったばっかだし…」

マリオ
「大丈夫だ。アイツは信用できる。
何せ、危ない所を助けてくれたからな。それに…」

ルイージ
「それに…?」


何か含みのある様子をマリオが見せたもので
ルイージは問い掛けるが…


マリオ
「…いや、何でもない。とにかく病院に急ごう」

ルイージ
「? わ、分かったよ」


マリオはその先の言葉を結局飲み込んで、
ルイージを連れてイヤミン刑事を病院へと運んで行く事を優先する。


マリオ
「(あの女…何だか良く分からないが、とても他人には思えない。
ピーチ姫と同じ技まで使うから、尚更だ。
おまけに、M-1000とか言ったっけ?俺を殺しに来たとかいう、
メタルの怪物…
2人揃って俺の事を知っているなんて、
いったい何者で、何処から来たと言うんだ?)」


マリオは、そう考えつつ病院へと急ぐ。
だが、その様子を遠くから観察する、
体のそこかしこに包帯を巻いた何者かがいた。


???
「マリオどもが尻尾巻いて家から逃げて行く…
奴の狙いがマリオという、俺様の勘は当たったようだな。
今に見てやがれ、メタルの怪物め…」







「このワリオ様をボロ雑巾にした事、後悔させてやるッ!!」






午前8時46分頃…

マリオ兄弟の自宅前で、M-1000の右腕の剣と謎の女の左手の義手の刃による
ある種の剣同士の対決が繰り広げられている。
お互いの実力は、ほぼ互角と言った様子でいずれの刃も相手に命中する事無く、
刃同士弾きあうばかりだ。

謎の女
「あの時とまるで動きが違う…!」

M-1000
「そう言いながら、よく着いて来れるな?
着いて来たと言えば貴様、どうやってこの時代に来た?」

謎の女
「今更それを聞くか?」

M-1000
「…そうか、『あの施設』を奪い取ったか。
転送ミスがあったのも、それで納得がいった。 忌々しい対抗軍め…」


ズバババババ!

そう言ってM-1000は、左腕をバルカン砲に変形させると、
彼女目掛けて弾丸を放つ。


謎の女
「!」


ビビビビビ!

かなり近距離で放たれたが、
謎の女はすぐに反応してM-1000から離れると、彼の周囲を物凄い早さで走り回る。
そして、刃を引っ込め、取り外していた義手の左手首を戻すと、
指先に穴を開けて、エネルギー弾をマシンガンのように連射して応戦。

凄まじい銃撃戦に発展する。


M-1000
「(…コイツの足、相変わらず厄介だな。
こんなに動きまわられては、飛び道具では不利。ならば…)」


と、M-1000は玄関が壊れ、
ボロボロなマリオ兄弟の自宅に目を向ける。


M-1000
「(コイツを利用させてもらう)」


そして、M-1000は銃撃を止め、
ドロドロに溶けると壊れた玄関から無人になったマリオ兄弟の自宅へ侵入する。


謎の女
「なに!?」


突然逃げ出したのかと思い、謎の女は驚くもすぐにその後を追う。

しかし…


謎の女
「…いない?」


M-1000の姿は何処にもなく、
自宅内は、ついさっきまでの戦闘があったのが
嘘のように静まり返っていた。
それでも、謎の女は警戒を解かず、家の中を見回す。


キィ…キィ…


謎の女
「!」


その時、家の奥から物音がしたので謎の女はその先に目を向ける。
目を向けた先には、マリオとルイージが使用している二段ベッドの部屋があるのだが、
部屋の真ん中の床が、不自然に開いていた。

かつてルイージが使用し、
封印した秘密の地下室(マリオストーリー参照)の出入り口だ。

彼女は、あそこにM-1000がいると思い、
ゆっくりと、慎重に、地下室の出入り口に足を進め、
開いた隙間から中を覗きこむ。

中にはジャンプ台と
ルイージの秘密の日記が置かれた机が設置されているものの、
誰かがいる気配はない。


謎の女
「…ん?」


パラパラ...

だがその時、異変が起きる。
彼女の頭上から、木の屑の様なものが降って来たのだ。


謎の女
「これは…はっ!」


ズゴゴゴゴゴゴゴ!

と、次の瞬間!

突然、部屋が轟音と共に崩れ始めた。


謎の女
「へ、部屋が…いや、違う!この家が崩れて…!!」


家全体が崩れようとしている事に気付き、
彼女は「しまった!」そう思った。

相手が突如マリオ兄弟の自宅へ逃げた理由…
それは、こうやって自分を誘き寄せ、家ごと潰す為だったのだ。


謎の女
「私とした事が、まんまとハメられたか…!
うわあ―――!?」


ズゴゴゴゴゴオォォォォ―――――!!!!!!

そこまで察するも時既に遅し…

マリオ兄弟の自宅は、謎の女もろ共崩れ落ちる。

そして、家がガレキの山に変わり果てたのを見計らい、
M-1000が残骸前に姿を現わす。


M-1000
「こうも簡単に引っ掛かるとは。
こんな単純な奴に敗れたと思うと、自分がバカらしい…む?」


ガラ…

と、M-1000が思っていると、瓦礫の一部が盛り上がり、
その中から謎の女が姿を現わす。


謎の女
「ハァ…ハァ…!」

M-1000
「…前言撤回だな。
まだ生きていられるとは、さすがは一度私を破壊した者だ。
だが、満身創痍なご様子だな?」


M-1000の言う通りであった。
謎の女は、ガレキに生き埋めにされて全くダメージを受けないはずがなく、
全身傷だらけ。

頭からは血も流れ出ていた。


謎の女(ボロボロ)
「クッ…!」


ピョイーン!

それでも、謎の女は義手を構えて攻撃しようとするも、
M-1000は、マリオ並みの大ジャンプで彼女の背中に乗り、
義手を踏みつける。


謎の女(ボロボロ)
「うあ…!」

M-1000
「無駄な抵抗は止せ。貴様には、死あるのみ…」


そしてM-1000は、自身の右腕を槍に変形させ、
彼女の突き刺そうと思い切り振りあげる。


謎の女(ボロボロ)
「(こ、ここまでなのか…?
何の目的も達成できないまま、私はここで殺されるのか…?)」


と、謎の女が諦めかけたその時…!




ワリオ
フンガアアァァ――――!!

M-1000
「っ!?」


ワリオが現れて、
M-1000をショルダータックルで吹っ飛ばしたのだ!


謎の女(ボロボロ)
「き、君は…!」


昨日助けたワリオが現れ、謎の女は驚く中、
M-1000は体の一部を液体化させて受け身を取り、体勢を立て直す。


ワリオ
「チッ!俺様のタックルを喰らって受け身を取るとは、
生意気な化け物だ」

謎の女(ボロボロ)
「き、君!どうしてここに!?」

ワリオ
「決まってるだろ、
昨日の俺様をボロ雑巾にしたお返しをしに来たんだよ!
つーか、お前誰だ?」

M-1000
「…誰かと思えば、昨日命拾いした黄デブか」


と、ワリオの質問の邪魔をするかのように、M-1000は口を開く。


ワリオ
「黄デブだとお!?俺様は黄デブじゃねえ!
ワリオ様という素晴らしい名前があるんだ!覚えとけ!!」

M-1000
「貴様の名前など、我が任務において重要な事では無い」

ワリオ
「言ってくれるじゃねえか…
昨日は油断したが、今回はそうはいかねえ!
地獄の果てまでぶっ飛ばしてやるッ!!」

謎の女(ボロボロ)
「ば、バカな真似はよせ…!
そいつは強いばかりか、頭が回る…!
君が戦って勝てるような相手じゃない…!
それに、これでは、昨日君を助けた意味が…!」

ワリオ
「あぁ?ごちゃごちゃとうるせえ女だな…
テメェはあっち行ってろ!フンガあー!」


ブンブンブン… ビューン!

そう言ってワリオは謎の女の体を掴むと、
ジャイアントスイングで遠くへ投げとばしてしまった。


謎の女(ボロボロ)
「や、やめ…!うわああぁぁぁぁ――――.........!!!」


そして、投げ飛ばされた謎の女は、キノコタウンの方へと吹き飛んで行った。


ワリオ
「これでようやく静かになった…
さあ、昨日の続きと行こうじゃねえか!」

M-1000
「! 貴様、後少しでトドメをさせた所を…」

ワリオ
「テメェの都合何ざ知ったこっちゃねぇ!
何て言ってる間に、『ワリオメガトンパンチ』!」


ズボ!

ワリオは左腕で重々しいパンチ攻撃を繰り出し、M-1000の顔を貫いた。


M-1000
「グッ…!?」


唐突な攻撃に、M-1000は唸り声を上げる。

これにワリオは、得意げな表情を浮かべるが…


ワリオ
「ヌッ!?う、腕が…腕が抜けない!?」


彼の左腕は、M-1000の顔に突き刺さったまま、
抜けなくなってしまう。
何故なら、M-1000がワリオの腕が突き刺さっている部分を液状化、
腕に纏わり付かせて固定させたのだ。


M-1000
「愚かな黄デブめ…
我が液状ナノマシンに、物理攻撃など全くの無意味だ」

ワリオ
「クソッ…!貴様、いったい何なんだ!」

M-1000
「答えるつもりは無い。
貴様を片付け、あの女とマリオを消さなければならないのでな…」


ゴキゴキゴキィ!

そう言ってM-1000は、自らの顔に突き刺さるワリオの左腕を両手で掴むと、
自らの頭部を左に向けて思い切り動かす。
すると、ワリオの左腕は嫌な音共に左向きに不自然に折れ曲がった。


ワリオ
ぐわあぁぁぁ――――!!!


さすがのワリオも、これには大声を上げて悶絶。
変な方向に折れ曲がった左腕を押さえてのた打ち回る。


M-1000
「どうした?黄デブ…私をぶっ飛ばすのではなかったのか?」

ワリオ
「グ…う、腕の骨が…!」

M-1000
「腕の骨が折れた…と言う奴か。
215本もの骨を有しておきながら、1本折れただけでこれとは…
やはり、この世を支配するのは、貴様らのような下等生物では無い。
我ら機械だ」

ワリオ
「な、何を言って…やがる!?」

M-1000
「知る必要の無い事だ。
今度こそ、トドメを刺してやろう」


そう言ってM-1000は、右腕を剣に変形させると、
ワリオの頭に狙いを定めた。


ワリオ
「クッ…!この野郎…!」


反撃できないままやられそうになり、
悔しさの表情を浮かべるワリオ。

だがその時…!




???
ちょっと待ったー!!

M-1000
「グッ…!?」


突然、横からワリオそっくりな大型ロボットがM-1000に飛びかかり、
そのままもみくちゃになって、転がった。


ワリオ
「あ…アレは…!」


その大型ロボットに、ワリオは見覚えがあった。
何故ならそれは、自分が作った0〜7号クンが合体した、
スーパーワリオクンロボだったからである。


ワルイージ
「おーい、アニキー!」


更にそこに、彼の相棒のワルイージがやって来て、
ワリオの体を起こす。


ワルイージ
「大丈夫…な訳ないな。腕が折れてらぁ…」

ワリオ
「ワルイージ…助けに来てくれたか!」

ワルイージ
「助けに来てくれたか、じゃねえよ!
病院抜け出したって言うんで、
こっちはあっちこっち探しまわったんだぞ?
それでやっと見付けたら、案の定これか!」

ワリオ
「しょうがねえだろ!
やられっぱなしのまま、病室で寝てられなかったんだからよ!」

ワルイージ
「…とにかく、アンタはもう休んでろ。
後は俺とワリオクンロボでやるから」


そう言ってワルイージは、
ワリオをその場に置いて、M-1000の方へ向かう。

そのM-1000の方はと言うと、
ワリオクンロボのラッシュ攻撃を受けながらも、平気な顔をしていた。


ワリオクンロボ
「コイツ、瞬時に柔軟化して打撃を和らげられるのか?」

ワルイージ
「ワリオクンロボ!助太刀するぜ!『ウルトラファイア』!」


シュボボボッ! ボッ…ボッ…

そこに、ワルイージが大きいファイアボールを連射してM-1000を攻撃するが、
全く効かなかった。


ワルイージ
「なに!?」

ワリオクンロボ
「コイツ、耐熱性にも優れてるのらか!?
だが…!」


ガシャン!

それを見たワリオクンロボは、右腕をブレードに変形させ…


ワリオクンロボ
「『超振動ブレード』はどうだあ!?」


ブイ―――!ズババババ―――!!!

刃を超振動させてM-1000をメッタ斬りにした。


M-1000
「ぬ…?」


メッタ斬りにされたM-1000は、
微妙な声と共に細切れのバラバラとなった。


ワルイージ
「よし!さすがは何でも切り裂く超振動ブレードだ!」

ワリオクンロボ
「けど、何か呆気無さすぎるような気もしますですな…」

ワリオ
「クソ…せっかく俺様の手でブチのめしてやりたかったのに…
ん?」


素直に喜べないワリオであったが、
ふと目に入ったM-1000の破片を見てある事に気付く。

細切れになったはずの破片が、
意思を持つかのように動き、集まり、大きくなっているのだ。


ワリオ
「お前ら気を付けろ!そいつはまだ元気だ!」

ワリオクンロボ
「え…?ぐわあぁぁ――――!!???


ズバババア―――!

と、ワリオが知らせたものの、時既に遅し…

集まった破片から6本の触手のようなものが伸びたかと思えば、
その先端は超振動ブレードそっくりな見た目に変化、
ワリオクンロボをメッタ斬りにしたのだ。


ワルイージ
「ワリオクンロボ!」

ワリオクンロボ(ズタズタ)
「ガ…ガガ…!」


バラバラ!

倒れるワリオクンロボ。その拍子に、合体が解けてしまう。


ワルイージ
「お、おい大丈夫か!?」

6号クン(ズタズタ)
「だ、大丈夫じゃ…ねえ…ガガ…!自己修復装置が…破壊された…」

0号クン(ズタズタ)
「し、しかし、今のは…ガガガ!超振動…ブレード…?ガガ…何故……?」


M-1000
「今の戦いでお前達の事を、分析させてもらったからだ…」


0号クンの疑問に答えるかのように、破片から再生したM-1000が出てくる。

その両腕は0号クンの超振動ブレードとなっており、
背中にも4本の触手のような形で、超振動ブレードを生やしていた。


ワルイージ
「あ、アイツ…!」

0号クン(ズタズタ)
「グ…ガガ…!我ら○号クンシリーズの力を、コピーしたのか…!?ガガガ!」

ワリオ
「それどころか、細切れ状態からあっさり復活しやがった。
ホントのホントに、バケモノだぜ…!」 2号クン(ズタズタ)
「け、けど、どうして…ガガガ!こんな短時間で…?ガガ!」 M-1000
「私は、Mシリーズ最新型だ。再生はもちろん、古代機械の機能をコピーするなど容易い…」

3号クン(ズタズタ)
「こ、古代機械〜…?ガガ!
僕達…○号クンシリーズの中では古い型だけど〜…ガガガ!」

5号クン(ズタズタ)
「古代モンとか言われるほど…ガピー!きゅ、旧式じゃ、無いぜ…ガガガ!」

M-1000
「お前達の感覚ではそうだろうが、
600年後の世界で生まれた私からしてみれば、お前達は立派な古代機械だ」

4号クン(ズタズタ)
「な、何を訳のわからな…ガガ!いことを…ガガ…!」

1号クン(ズタズタ)
「な、7号クン…奴は、いったい…ガガガ!何者だ…?」

ワルイージ
「そうだ!7号クン、奴をスキャニングするんだ!」

7号クン(ズタズタ)
「そ、それが…ガガガ!
合体、している時から…ガー!何度もやってるんですが…ガガガガ!」

ワルイージ
「どうした?」

7号クン(ズタズタ)
「ぶ、分析不可能でした…ガガガ!データベースにも…ガピー!
アクセスしてみまし…ガガガガ!たが…ガガ!
該当データ、無しでした…ガーガガ!
そ…その…代わり…ある生物の細胞に…酷似した物質ガアァァァ―――――.........!!!」


プシュ―――.....

言い終わる前に、7号クンは壊れて動かなくなってしまった。


ワルイージ
「な、7号クン!」

2号クン(ズタズタ)
「ガガ…な、何と言う事…ガガ!」

ワリオ
「けど、どう言う事だ…?7号クンでも分析不可能だなんて…?」

5号クン(ズタズタ)
「ほ…ホントに何モンなんだ、テメェ…ガガガ!」

M-1000
「その質問は聞き飽きた、
知能を持ちながら、人に尽くすような愚かな古代機械よ…」

0号クン(ズタズタ)
「グ…ガガ…ば、バカにしおって…ガガガ!」

M-1000
「…さて、時間も無い。そろそろ終わりにする事にしよう」


グニョーン…

そう言ってM-1000は、触手を引っ込め、両腕を元の形状に戻し、
胸を張ると、胸部が口から大きめの主砲を伸ばした、
銀色の0号クンの顔に変化する。

そのパーツの出現に、0号クンの表情が凍りついた。


0号クン(ズタズタ)
「そ、それは…まさか…!」

M-1000
「そのまさかだ。120mmプラズマエネルギー粒子加速砲だったか?
貴様が、他の古代機械と合体している時にのみ使用可能の最強兵器…
貴様ら自身の力でトドメを刺してやろう」


ジュイイィィィィィィィン・・・!バチバチバチバチバチ!

そう言うとM-1000は、電撃を走らせながら主砲に金色のエネルギーを溜め始める。


0号クン(ズタズタ)
「ま…マズ…イ…!ワルイージ、さん…ガガ!
ワリオさんを連れて…早く…逃げろ…ガガガ!」

ワルイージ
「言われないでもそうするつもりだ!」

ワリオ
「せっかく作ったお前らを、見捨てるのは気が引けるが…
仕方が無い…!」


こうしてワルイージは、ワリオを抱えて土管へ逃げようとした。

だが…




ヒュン!

M-1000は、無言でそれも素早い動きで、
彼らの前に立ち塞がった。


ワルイージ
「うわ!な、何で!?」

ワリオ
「ワルイージ!奴の背中を見ろ…!」

ワルイージ
「あ…!」


ワリオの言う通り、M-1000の背中を見てみると、
彼の背中には、
超高速飛行モードの翼とジェットエンジンが出た、
銀色の3号クンの甲羅が出現していた。


ワルイージ
「何て奴だ…!
チャージしながら3号クンの力で、先回りしたってのか!?」

M-1000
「貴様らを逃がすと思うか?
今後の障害になる可能性がある以上、この場で排除する…」


シュン!

M-1000がそう言うと同時に、主砲のエネルギーチャージが完了してしまう。


ワルイージ
「え、エネルギーが!」

M-1000
「チャージ完了…120mmプラズマエネルギー粒子加速砲、発射」

ワリオ
「や、止めろ…!」


ビイィィ―――――!!!!

と、叫ぶワリオ。

だが、主砲からは轟音と共に極太ビームが放たれ…





午前8時55分、キノコタウン 中央病院…


ルイージ
「良かったね兄さん。イヤミンさん、命に別条ないみたいで」

マリオ
「………」


イヤミン刑事を無事預ける事が出来たようで、マリオ兄弟が病院から出てきて、
ルイージが兄に声をかけるが、
マリオは腕を組んだまま目を閉じている。


ルイージ
「兄さん、聞いてる?」

マリオ
「ん?あぁ、悪い悪い。ちょっと考え事してて…」 ルイージ
「もう、しっかりしt…」



ズドガガァァ――アン!!



「しっかりしてよ!」と言おうとしたその時だった。

凄まじい爆音が響き渡る。


ルイージ
「うわ!なになに!?」

マリオ
「…!る、ルイージ、アレを見ろ!」


マリオは何かに気付き指差し、
続けてルイージもその先に目を向けると、
遠くで灰色の巨大な煙が立ち上っていた。

それを見たルイージの表情が、引きつった。


ルイージ
「に、兄さん…あの方角ってまさか…」

マリオ
「ウチの方だ…」





―キノコタウン路地裏―


謎の女(ボロボロ)
「ハァ…ハァ…ゴミ袋の山が、クッションになって助かった…
む?」


一方、ワリオに投げ飛ばされた謎の女も、
大事は無かったようで路地裏から這い出るように姿を現わすが、
同時にマリオ兄弟の自宅がある方角から、巨大な煙が上がっているのを目撃する。


謎の女(ボロボロ)
「ま、まさか…!」


表情が凍りつく謎の女。

そして、そのマリオ兄弟の自宅はと言うと、
周囲は焼けただれ、家があった場所は地面ごと大きく消し飛んでおり、
もはやそこに家が建っていた痕跡は、残っていない。

残っているのは、原形が無くなるまでに大破した○号クンシリーズと、
真っ黒に焼けただれ、白目を剥いて痙攣している瀕死のワリオとワルイージ、
そして、主砲を撃ち終わり、
胸周りをバチバチとスパークさせて立ちつくす、M-1000と背後の土管のみであった…


M-1000
「排除、完了…
これでコイツらは、動けまい。
しかし、この粒子加速砲…
威力は素晴らしいが負荷が掛かり過ぎて、効率が非常に悪い。
これ以上使う必要は無いだろう」


動きだしたM-1000がそう言うと、
彼の目に120mmプラズマエネルギー粒子加速砲を消去した旨のメッセージが表示され、
胸部の0号クンの顔が姿を消す。


M-1000
「それにしても、コイツらのせいで余計な時間を食ってしまった。
特に、対抗軍の女が消息不明になってしまったのは、
実にマズイ事態だ。
あの女がこちらの『計画』を、どこまで把握しているか分からんが、
ターゲットとこれ以上、接触させる訳にはいかない。
早急にターゲットを抹殺せねばな」


ビュオォォォ――――!!!

M-1000が言い終わると同時に、周囲に強い風が吹きすさいだ。
台風が着実に接近しているのである。


M-1000
「私と遭遇し尚且つこの気象条件だ。
奴らの逃げる場所は限られてくる…
そこで待ち伏せするとしよう」


そう言ってM-1000はドロドロに溶けると、
マリオ兄弟より先回りすべく、土管の中へと消えていった。

だが、彼の言う『計画』とはいったい…?





そして、午前9時…

キノコタウン路地裏から出てきた謎の女性は、
自らにいたいのいたいのとんでけを掛けて、傷を回復させていた。

…が、不完全のようで、特に頭の傷は塞がった程度で完治までには至っていない。


謎の女
「これで精一杯か…
やっぱり私には、『ご先祖様』ほど回復魔法を扱う素質が無いようだ…」


残念そうにしつつも、
表情を改めてマリオ兄弟の自宅跡から立ち上る煙に目を向ける。


謎の女
「何て事だ…
とうとう、奴の…M-1000の手によって、この時代の人が犠牲になってしまった…
こうして奴から離れられたのは、不幸中の幸いだったが…
ともかく、一刻も早くマリオ達と合流しなければ…!」


そう言って彼女は、腕時計型のデバイスらしきものを起動させると、
周囲の地面をスキャンする。

だが、特に目立つものは表示されない。


謎の女
「この辺りに、彼らの足跡は無い…か。
病院周辺からトレースしてみるか」


こうして彼女もまた、マリオ兄弟の後を追うべく、行動を再開するのであった…





       第1話終わり。

              第2話へ続く・・・










〜あとがき〜



R版第38部、第2弾完成。
原文との違いを…

謎の女VSM-1000・・・実は原文では、マリオ兄弟の自宅でここまで戦っておらず、
(謎の女が家を破壊して、M-1000が修復している隙に逃げる)
後で展開される、ワリオが乱入する戦いと一緒くたにしました。
この方がスムーズですし、
何しろR版では謎の女とM-1000は因縁があるという設定に変更しているので。

それに伴い、マリオ兄弟の自宅が破壊された原因が、
彼女がM-1000をまく為から
M-1000が謎の女にダメージを与える為に変更。
(原文通りだと、
ちょっと酷いかなと感じたというのもありました)

逆襲のワリオ・・・原文では唐突に現れましたが、
こっちではそうならないよう、冒頭のような台詞を追加しました。
それに加え、M-1000の目的がマリオである事を察してきたという理由づけもしました。
M-1000の前に現れた理由は原文と同じですが、
R版ではワルイージは襲われていないので、ワルイージとのやり取りを変更。

また、原文で謎の女は、ワリオがM-1000に喧嘩売ってる内に逃げてますが、
こちらでは、止めようとするもジャイアントスイングで投げ飛ばされ、
結果的に難を逃れた形に変更。
こうなったのは、前日でワリオを助けているのもあるのですが、
彼女の生い立ちや、
ワリオが本来なら無関係な人間である事などを考えると、
(いくら自分が負傷しているとはいえ)
止めるのが普通だと思ったからです。


○号クンシリーズ・・・原文では、現段階で存在する○号クンシリーズ全員がやって来ていて、
その上台詞が一言のみでしたが、
R版ではワリオクンロボの姿での登場で、0〜7号クンのみの登場。
こうしたのは、他所のまとめとの差別化もあるのですが、
ワリオクンロボの姿で戦わせた方がスムーズで、
下記の展開につなげられるからです。
(更に言うと、当サイトのまとめシリーズでは、
0〜7号クン(+8号クン)までしかまだ取り扱っていないと言うのもありますが)
ちなみに言及なしだった8号クン以降は、
もしもの時に備えて、本社でお留守番している事にしています。

また、M-1000からバカにされる台詞を追加。
同じ知性あるメカなのに、何故か全然その辺触れられなかったので…


M-1000のコピー能力・・・○号クンシリーズの能力をコピーする展開は、R版オリジナルです。
その為、ワリオ達をうち負かし方を、原文では物凄い量のキラーを放つから、
ワリオクンロボからコピーした粒子加速砲を使うに変更。
このような展開になったのは、後々の行動に繋げる為と、
加速砲で吹っ飛ばした方が、マリオ兄弟も家が壊滅した事を知りやすいからです。

ちなみに、やられたワリオ達の様子も、コミカルな台詞を吐くから
瀕死状態で台詞もない状態に変更。
変更したのは、先の通りコミカルでふざけた感じだったのと、
ワリオが「社員が残ってる」みたいな事言っておいて、その後全く音沙汰なかった為です。

更に言うと、終盤のある展開を際立たせる意図もあります。
これまたネタバレになるので、まだ言えませんが。


以上です。

最後に、腕を折られたワリオとM-1000のやり取りは、
「T2」のサラとシルバーマン博士のあのやり取りが元ネタだったりしますw

そして、他の細かな変更点は各自見比べてみて下さい…



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