惨劇の日 2

午前9時47分…

1人の老人が、ルイージの豪邸の前に佇む
オヤ・マー博士の研究所の出入り口である小さい小屋を、補強していた。
研究所の主であるオヤ・マー博士である。


オヤ・マー博士
「ゼエ…ゼエ…や、やっと終わったわい…
小屋1つ補強するだけでこんなに疲れるとは、これだから年は取りたくないのう…」


息を切らし、その場に座り込むオヤ・マー博士。
そこに、森の向こうから同じように息を切らしながら、2人の若者がやって来る。


ルイージ
「ハアハア…兄さん、着いたよ」

マリオ
「ゼェーハァ…ゼェーゼェー…さ、さすがに、人をぶったままぶっ続けで走ると、辛い…」

謎の女
「大丈夫か…?」

マリオ
「俺の事より、自分の体を心配しな…」

ルイージ
「それに…丁度博士もいるよ。おーい!博士ー!」


ルイージは、小屋の前に座り込んでいるオヤ・マー博士に声をかけた。

だが…



オヤ・マー博士
「! お前さん達、やっと来たか!そこに座れ!」


それに気付いた博士は、急にご機嫌斜めな様子でその場に座れと言い渡した。


ルイージ
「え?」

オヤ・マー博士
「『え?』ではない!はよう座れ!」

ルイージ
「う?うん、分かった…」


何故急にこのような事を言われなければならないのか分からないまま、
マリオ兄弟は、同じく呆気に取られている謎の女を下ろしつつ、その場に座った。


ルイージ
「一応座ったけど…」

マリオ
「いったい、どうしたんだ?」

オヤ・マー博士
「どうしたではない!お前さん達、ワシが小屋の補強を手伝ってくれるよう
電話を掛けたのに、全然出てこなかったではないか!」

マリオ
「電話?いつ掛けたんだ?」

オヤ・マー博士
「4、5分前じゃ!」

ルイージ
「4、5分前?てことは…」

マリオ
「タイミングが悪かったみたいだな。実は…」

オヤ・マー博士
「言い訳はせんで良い!」


と、マリオは事情を説明しようとしたが、博士はそれを遮って説教を始める。


オヤ・マー博士
「お前さん達は、知らんから教えておいてやるがな、
ワシは君達に無視されたせいで、1人で小屋の補強をせねばならなくなったんじゃぞ!?
これがどんなに辛いのか、分かっておるのか!?」

ルイージ
「確かにお年寄り的には、体に悪いと思うよ。けど…」

マリオ
「それなら無理にしなくたって良いじゃないか。
そもそも、研究所は地下にある訳だし…」

オヤ・マー博士
「これだから近頃の若い者は…
この小屋は、60年以上もワシの研究所の玄関として頑張って来た、大事な小屋なんじゃ!
それが台風で飛ばされるなど、持ってのほ…ん?」


ここでオヤ・マー博士は、ようやく見慣れぬ人物=謎の女がいる事に気付いて、
そこから先の言葉を飲み込んだ。


謎の女
「………」

オヤ・マー博士
「お前さんは、ピーチ姫…ではないな。誰じゃ?」

ルイージ
「そうだ!博士、大変なんだよ!」

マリオ
「俺達今、追われてるんだ。そのうえこの人が負傷してな。
だから、ここでかくまってもらおうと思って…」

オヤ・マー博士
「何じゃと!?それならそうと早く言わんか!」

マリオ
「いや、言おうとしたら博士が…
あー、もういいや!とにかく中に入れてくれ!」


こうして、博士の一方的な勘違いを終わらせ、
マリオ兄弟は謎の女と共に研究所に入れてもらった。

そして、3分後の9時50分…
彼女は、ひとまず客室のベッドに寝かされた。
何故なら、先に休んでおけば、回復魔法が使えるようになり傷をやわらげる事が出来る。
完全な治療はその後だと言われたからだ。

そんな彼女を前に、マリオはこれまでの経緯を博士に説明した。


オヤ・マー博士
「なるほど。では、そのM-1000と言う怪物に命を狙われたせいで、
電話に出ようにも出れなかったんじゃな?」

マリオ
「その通りだ。なのに博士と来たら、俺達が無視したって決めつけて…」

ルイージ
「それより、ホントに寝てるだけで良いの?」

謎の女
「もちろんだ。…それにしても、君達を助けるつもりが、逆に助けられるなんてな……
そのうえ、オヤ・マー博士の世話にまでなってしまった」

ルイージ
「こっちは、2回も助けられちゃったからね」

マリオ
「そうそう。借りを返したって奴だ」

謎の女
「なるほどな…」


マリオ兄弟の言葉に、謎の女は納得した様子を見せる。
その様子を何気無く見ていたオヤ・マー博士だったが、ふとある事に気付く。


オヤ・マー博士
「む?お前さん、どうしてワシの名前を知っておるんじゃ?」

ルイージ
「あれ?そう言えば僕達、まだ博士としか呼んでないのに…」

謎の女
「それは…」



マリオ
「アンタが、遠い未来から来た、俺とピーチ姫の子孫だから…じゃないか?」


謎の女
「!!」


突然のマリオの発言に、謎の女は驚きの表情を浮かべた。
しかし、驚いているのはルイージと博士も同様だ。


オヤ・マー博士
「この娘が、君とピーチ姫の子孫じゃと!?」

ルイージ
「兄さん、どうしてそう思うの?」

マリオ
「M-1000が600年後の未来から来たのなら、奴を知ってるこの人も同じ…
それでいて、ピーチ姫そっくりで、俺が他人とも感じない…
この2つの要素を繋いで考えると、そうとしか考えられないんだ」

ルイージ
「ねえ、兄さんの言ってる事本当なの?」

謎の女
「…驚いた。まさか、話す前に見破られるなんて…」

ルイージ
「それじゃあ…」

謎の女
「彼の言う通りだ。私は、600年後の未来からやって来た、マリオとピーチ姫の子孫…
名前は、『イリア』……」

ルイージ
「イリア…それが、君の名前……」

マリオ
「それじゃあ、あの魔法も、ピーチ姫から遺伝したものだったんだな?」

イリア
「その通り。とはいえ、彼女ほど素質は無い。現に回復も中途半端だしな。その代わり君…
いや、アナタと同様、炎のエレメントを扱う素質はあるみたいなんだ。
こんな風にな…」


シュボッ!

そう言ってイリアは、右手の平の上に、大きなファイアボールを作り出して見せる。


マリオ
「俺が作れるのとほとんど同じ形…間違いなく俺の子孫だな」


マリオは、ますます納得した。
それを見計らい、今度はオヤ・マー博士が口を開く。


オヤ・マー博士
「じゃが、マリオ君の子孫が、マリオ君の命を狙う怪物を追って来たとは、
尋常な話では無いのう…」

ルイージ
「それに、何でM-1000は兄さんの命を狙ってるの?600年後の未来で何があったの?」

イリア
「そう急かさなくても、これから話すつもりだ。ただ、結構長話になるが…」

マリオ
「構わないさ。どうであれ、俺達はそっちの状況を把握しなければならないからな」

ルイージ
「そうだよ、気にしないで」

イリア
「そうか。なら、始めるぞ…」


そう言ってイリアは、未来の事を語り始める。
気のせいか、その瞬間彼らは背景が、ブラックアウトしていくような感覚に襲われた。
それはこれから語られる、衝撃の真実を予見しているかのようであった。


イリア
「全ては、この時代の、この日から始まった…
アナタ達は、メガバッテンと言う組織を知っているね?」

マリオ
「知ってるも何も、俺達の敵じゃないか!アイツら、また何かやらかしたのか?」

イリア
「この日…組織の総統バツガルフが、あるスーパーコンピューターを完成させたんだ。
名前は、『TEC-XX Mk.II(テック・バツバツ マークツー)』…
通称『テックII』……」

マリオ
「マークIIて事は、テックの2号機か?どうしてまた、そんなものを?」

イリア
「前のテックが、ピーチ姫に恋をしてから、組織にとって不都合な行動を起こし始めたからだ。
だから彼らは、代わりになるコンピューターが欲しくなった。
そこで完成したのが、テックIIだった訳だ」

オヤ・マー博士
「なるほど。不具合だらけになってしまったから、
前のテックをお払い箱にした訳じゃな?ワシも、物を作る立場におるから、良く分かるわい」

ルイージ
「それで、そのテックIIってどんなコンピューターなの?」

イリア
「テックIIは、以前のテックや従来のコンピューターと全く違う、特殊なコンピューターとして開発された。
高度な自己進化プログラムで成長するコンピューターとして…」

マリオ
「自己進化プログラムで成長を?何だって、そんな面倒そうなものを…」

イリア
「バツガルフが、ピーチ姫に出会ってからのテックの変化に、興味を示したからだ。
彼女に対するテックの行動を邪魔に思っていた一方で、ある種の進化を起こしたのではないかと…
だからその進化を、今度は自分達の手で起こしてみよう
そうすれば、メガバッテンの理想的なコンピューターが完成する、そう考えたんだ。
それが、最大にして最悪のミスだったとも知らないで…」

ルイージ
「何があったの?」

イリア
「完成してすぐに、テックIIはメガバッテンの教育を受けた。
経過は順調。理想のコンピューターに育っていると誰もが思った。
しかし、そうでは無かった…
テックIIに搭載された自己進化プログラムは、奴の自我まで大きく膨らませてしまっていたんだ」

ルイージ
「自我が大きく?」

オヤ・マー博士
「と言う事はまさか…!」

イリア
「そのまさかだ。自己進化の過程で自我が強くなったテックIIは、
メガバッテンのためだけに働く自らの境遇に疑問を感じ、組織に反発を開始。
一方メガバッテンもそういう事態は想定済みで、調教用のシステムや専用のプロテクトで対策を取っていた。
だが、それも始めだけ…テックIIは、あろう事か自らの自己進化プログラムを利用して、
システムとプロテクトを克服し出したんだ。
メガバッテンも負けじとシステムやプロテクトをバージョンアップして対抗したが、
その度にテックIIも自己進化で克服するので、イタチごっこ。
ついに対策が追い付かないレベルになり、テックIIはアジトのシステムを掌握。
組織全体を揺るがす大反乱を引き起こしてしまったんだ」

オヤ・マー博士
「何と言う事じゃ…!」

マリオ
「それで、メガバッテンはどうなったんだ?壊滅しようがしまいが知った事じゃないが…」

イリア
「総力を決して立ち向かったそうだ。ペケダーを始めとした多くの団員が犠牲になったが、
バツガルフは、何とかしてテックIIの鎮圧に成功。
しかし、激しい戦いで消耗していたバツガルフは、テックIIを破壊する力が残っていなかった。
そこで彼は、遠い宇宙の彼方へ奴を廃棄した。
こうして、メガバッテンの壊滅は免れ、奴の…テックIIの行方を知る者は、誰一人いなかった。
580年経つまでは…」

マリオ
「580年後に、何かあったのか?」


マリオの問いに、イリアはコクンと頷いて話しを続ける。


イリア
「2585年…
その時代では、『サイバーキノコカンパニー』と呼ばれる会社が存在していた」

マリオ
「サイバーキノコカンパニー?」

イリア
「生活や医療、機械・遺伝子工学、宇宙開発や軍事兵器の開発など
ありとあらゆる部門を取り扱った、世界規模の超巨大企業だ。
ある日、そこの宇宙開発部門が資源開発の研究に衛星軌道上に漂う、スペースデブリ…
言わば宇宙のゴミを回収していた所、
それと共に『正体不明のコンピューター』を発見・回収し、本社に持ち帰った。
本社に持ち込まれたコンピューターは、早速修復され、解析に掛けられた。
結果、それは自我があり、コミュニケーションがとれる超高性能コンピューターだと判明。
彼らは、そのコンピューター改良し、あらゆる分野に役立てようと考えた」

マリオ
「それで?」

イリア
「コンピューターは予定通り改良され、車や飛行機を始めとした乗り物や、
家電・パソコン、ロボットそして軍事兵器と、あらゆる分野に導入され、大いに役立った。
また、改良に当たって名前も付けられた。
その名は、『TEC-millennium.edition(テック・ミレニアム エディション)』
コンピューターに刻まれた、型式名から取られた名前だった」

マリオ
「テック!?じゃあ、サイバーキノコカンパニーが宇宙のゴミと一緒に回収した
正体不明のコンピューターは…!」

イリア
「言わずもがな、バツガルフの手で廃棄されたテックIIだ。
奴は、580年の歳月を経て、スペースデブリと共にこの星に帰って来たんだ。
そして、従順なコンピューターのフリをして、反乱の機会を伺っていた…
そうとは知らずにサイバーキノコカンパニーは、奴に色々なものを与えてしまった訳だ」

ルイージ
「と言う事は、テックIIはそれを利用して、また反乱を起こしたの?」

イリア
「その通り…ある日テック・ミレニアムはテックIIとしての本性を現わし、ある人を宣戦布告と見せしめの為、殺害。
サイバーキノコカンパニーを壊滅させ、自身を元に生み出された兵器や機械を操り、世界中の人々に牙をむいた。
人々は必死に抵抗した…
だが、それをあざ笑うかのようにテックIIは、ある恐ろしい兵器を起動させた。」






「最凶最悪のを!」



ルイージ
「か、核だって!?」

オヤ・マー博士
「なるほど、あらゆる分野に導入されたとあれば、
核兵器にも利用されていたのも、当然という事か…」

マリオ
「そ、それで、どうなったんだ?あんまり聞きたくないが…」


マリオの問いに、イリアは少し間をおいてこう言った…


イリア
「無論、放たれたさ…この国はもちろん、クッパ帝國やサラサ・ランド共和国、
そしてマメーリア王国やドルピック公国…
世界中に存在する核を積んだ爆撃機やステルス戦闘機、
そして弾道ミサイルが一斉に動きだし、世界全土を核の炎に包んでしまった。
『惨劇の日』の到来だ…」

マリオ
「惨劇の日…」


イリアの話しを聞き、一同は言葉を失った。
遠い未来の話とは言え、自分達の世界が核で破壊されると言う事実を聞かされたのだから、無理は無い。

そんな中、ルイージがある疑問を口にする。


ルイージ
「けど、何でテックIIはそんな事を?
自分を捨てたのは、メガバッテンのはずなのに…」

イリア
「長い間、宇宙空間を彷徨っていたからだろう。
何も無い場所で、吐き出せない恨みと憎しみが肥大化し過ぎてしまったために、
メガバッテンに恨みを晴らすだけでは、満足できなくなってしまった…
580年間の孤独が、奴を狂わせてしまったんだ」

オヤ・マー博士
「ところで、惨劇の日の後、人々はどうなったんじゃ?
君がいると言う事は、少なくとも全滅まではしておらんだろうが…」

イリア
「無論だ。私達の時代では、暴動や戦闘が起きれば、すぐに地下シェルターに逃げるよう法律で定められている。
テックIIの反乱が始まった際に、多くの人々がそこへ逃げ込んでいたおかげで、
それなりの人数が生き延びていたんだ。事前の対策が功をなしたといえた。けど…」

オヤ・マー博士
「けど…?」

イリア
「生き延びた人々に待っていたのは、苦しい生き地獄だった…」 オヤ・マー博士
「生き地獄…?」

マリオ
「な、何だよそれ…?」

イリア
「それは…」




イリア
「機械との戦争だ…」

マリオ
「せ、戦争だって!?」


イリアの一言に衝撃を受けるマリオ達。そんな中、イリアの語りは続く。


イリア
「惨劇の日で文明が滅びた後、テックIIは機械達が暮らす『機械帝国』を築き上げ、女帝として君臨。
生き延びた人々を捕らえ、惨たらしい仕打ちを始めたんだ」

ルイージ
「む、惨たらしい仕打ちって…?」

イリア
「実験用モルモットとして苦痛を味あわせたり、娯楽目的に殺したり…
酷いものとなれば、奴隷として死ぬまで働かせる事すらあった。
こうして、テックIIの暗黒時代が到来…
機械帝国の手から逃れた者達は、その時代を終結させようと奴らのスイッチを切ろうとした」

ルイージ
「それで戦争が始まったんだね?」

イリア
「あぁ。けれど、ダメだった…スイッチを切ろうとした人達は皆捕まり、
見せしめとして機械帝国に公開処刑された…
それでも立ち向かおうとした者達がいたが、彼らも同じ運命をたどった…
そんな状況が続く事、1年…
世界中の人々が諦めかけた時、転機が訪れた」

マリオ
「転機って?」

イリア
「機械帝国のとある戦艦に奴隷として働かされていた女性が、帝国の兵士に処刑されたんだ。
奴らに無礼を働いた奴隷を庇った見せしめにと…
だが、その事に怒りを感じた1人の奴隷がいた。それは、処刑された女性の夫…
彼は、女性との間に6歳の娘を設けた一児の父で、娘もまた奴隷として働かされる身でいた。
愛する妻を殺された彼は、これまで溜めこんでいた機械帝国に対する不満を爆発させ、
自分に賛同する者を集めて一揆を起こした。
その結果、多くの犠牲者を出したものの、女性の夫は戦艦の制圧に成功。
この功績に、艦内の奴隷にされた人々は、彼を英雄として称えた」

マリオ
「凄いなそいつ…」

オヤ・マー博士
「あぁ。奴隷として働かされる者は皆、服従されし身…
上の者への反抗はおろか、
打ち負かすなど早々出来るものではないぞ」

ルイージ
「よっぽど強くて、人を勇気付けるのが上手かったんだろうね」

マリオ
「けど、いったい誰なんだそいつ?」


マリオが機械帝国に反抗した人物の正体を、イリアに尋ねる。
すると、彼女の口からこんな言葉が飛び出した。


イリア
「その男は『ヴェネト』…私の父親だ」

マリオ
「アンタの父親か…ってちょっと待て!
と言う事は、そいつってもしかして…!」

イリア
「もしかしなくても、アナタとピーチ姫の子孫だ。
この時一緒にいた6歳の娘も、私…今でもあの時の事は、良く覚えている。
悪を許さない正義感で仲間を作り、
奴隷として働かされる自らの運命に抗って見せた、その姿を…」

オヤ・マー博士
「さすがはマリオ君の子孫じゃ。血は争えないと言う事かのう」

マリオ
「俺の血は、500年先の未来でも薄れる事無く受け継がれてるんだな…
何だか、誇らしく思うぜ」


その話に、マリオは少し上機嫌になった。それを確認すると、イリアは話を本題に戻す。


イリア
「機械帝国の戦艦を手に入れた私の父は、それを拠点に奴らと戦うべく『対抗軍』を組織した。
そして同志を募り、武器を集め、
奴隷となった人々を救出すべく各地を飛び回り、機械帝国と戦いを続けた。
戦いは熾烈を極めた…
時には多くの仲間を失い、時には誰も助けられない事もあった。
それでも父は…いや対抗軍は、戦いの先に未来があると信じ、諦めずに戦い続けた。
そして、苦闘が続く事、18年…
対抗軍はついに、戦局を打破。機械帝国を劣勢に追い込んだんだ…」


そこまで語ったイリアの目が少し濡れている。
その表情に、マリオ達は辛い戦いが彼女の前で展開されていた事を感じ取った。

当の本人は、それに気付いているのかいないのか、話しを続ける。


イリア
「だが、奴らがこの状況に対し、何の対策を取らないはずが無かった。
テックIIは、戦局打破のため、対抗軍抹殺兵器の開発に着手。
その為に、過去にサイバーキノコカンパニーが開発を中止させた、
対クッパ帝國戦用戦車型戦闘兵器『カーメネーター』を独自に完成させようと計画した。
計画は順調に進み、ついにカーメネーターは
対抗軍抹殺兵器『マリオネーター・サイバーキノコ・テックボット』として、完成してしまった」

マリオ
「マリオネーター!?と言う事はその兵器って…!」

ルイージ
「M-1000の大本となった兵器!」

オヤ・マー博士
「だが、何故わざわざマリオネーターという名前にしたんじゃ?
別にカーメネーターのままでも問題無さそうじゃが…」

イリア
「名前を変更したのは、理由があるそうだ。対抗軍は、ヴェネト…
すなわちマリオの子孫によって作られた組織。
だからテックIIは、『マリオの子孫及びそれが作った組織を終わらせる』と言う意味合いを込めて、
兵器の名前をマリオとターミネーター(終わらせるもの)を掛け合わせた、マリオネーターと名付けたんだ」

ルイージ
「それで、マリオネーターが完成して、対抗軍はどうなったの?」

イリア
「返り討ちにしたさ。相手は火力こそ驚異的だったものの、愚鈍な戦車型だったからな。
だが、それでもテックIIは諦めずに、すぐに改良型の『マリオネーター・サイバーキノコ・テックボット-第2号』
通称『M-2』を作りだし、量産化した『M-1』と共に送り込んできた。
それらも対抗軍は返り討ちにしたが、その後もテックIIはM-3、M-4、M-5といった改良型を
次々作っては、対抗軍に差し向けた。そうしている内に、マリオネーターの種類は日に日に増え、
いつしか『Mシリーズ』という通称で呼ばれるようになった。
そして、1年間で700種類のバリエーションが誕生し、その全てが失敗に終わった」

マリオ
「700種類も!?敵さんも必死だな…」

イリア
「だからだろうな。M-700の失敗を皮切りに、
テックIIはMシリーズの開発路線を、大規模な破壊活動による壊滅から
父の命を直接奪ての内部崩壊に変更。その為に、Mシリーズの小型化が進められた。
そして、2065年…
99体の試作機を経て、『マリオネーター・サイバーキノコ・テックボット-第800号』通称『M-800』と呼ばれる、
メタルマリオそっくりのヴェネト抹殺兵器が誕生したんだ」

マリオ
「その辺りからマリオネーターは、メタル化した俺の姿になったのか。けど、何で俺なんだ?」

イリア
「理由は2つ。1つは、テックIIが所持する過去のメガバッテンの情報から、
君の姿が戦闘や父の抹殺に向いていたから。
もう1つは、父の先祖の姿をしたロボットに殺させた方が、皮肉めいてて面白かったから…だな」

マリオ
「うえ!結構陰湿だな、テックIIの奴…」

ルイージ
「けど、それでも機械帝国は、君のお父さんを倒せなかったんでしょ?」

イリア
「その通り。M-800以降のMシリーズは198体改良型が作られて送り込まれたが、
どれも父の所に辿り着く前に破壊され、辿り着けても父に返り討ちにされていた」

オヤ・マー博士
「さすがはマリオ君の子孫。強いのう…」

マリオ
「となると、連中は俺の子孫の強さを、痛いほど思い知っただろうな…
待てよ?それじゃあ、機械帝国がM-1000を差し向けて来たのは…!」

イリア
「そうだ。対抗軍や父の直接的な抹殺は不可能だと考え、
父の先祖であるアナタを殺し、私達対抗軍の存在を歴史から抹殺しようとしているんだ」

マリオ
「なるほど、だからM-1000は俺にあんな事を…!」

ルイージ
「じゃあ、君はそれを知って、この時代に?」

イリア
「あぁ。計画を知った父は、奴らのタイムマシンの施設を奪い
先祖の護衛として私をこの時代に送ったんだ」

オヤ・マー博士
「だが、何故ヴェネトは君にマリオ君の護衛を任せたんじゃ?
仮にも自分の娘だろうに…」

イリア
「私が、マリオの護衛を志願したからだ。父は、それを了承してくれたに過ぎない…」

オヤ・マー博士
「それでも、自分の1人娘を危険な任務に就かせるのは、どうかと思うぞい。
普通、この手の任務は、精鋭にやらせるべきじゃろうて…」

イリア
「…実は、私もその精鋭戦士の1人なんだ。これを見てくれ」


そう言って、イリアは上着の袖とズボンの裾をまくり上げた。


オヤ・マー博士
「こ、これは…!」


上着の袖やズボンの裾から現れたものを見て、オヤ・マー博士は驚きの声を上げる。

何故なら彼女の左手は傷だらけの義手に、
両足はジェットブースターが壊れ、右足に穴が開いた、傷だらけの義足となっていたのだから…


マリオ
「やっぱり、足も義足だったのか。
道理でさっき持ち上げた時、変な感じがした訳だ」

ルイージ
「それに、その傷…ずっと使い続けてたんだね?」

イリア
「あぁ…コイツらには、戦士になりたての頃から、ずっと世話になったよ。
コイツらのおかげで、私は今日まで生き延びる事が出来たと言って良い…」

オヤ・マー博士
「…なるほど。良く分かったわい。君が、ただの娘ではない事がのう」

イリア
「理解できたようだね?さて、私が出来る話しは、これで全部だ…
この話を聞いて、どう思った?」

オヤ・マー博士
「どうって…」

ルイージ
「酷いに決まってるじゃない!悪いのはメガバッテンなのに、
何でこの世界の人達が酷い目に遭わないといけないの?
そんなの理不尽だよ…!」

マリオ
「ルイージの言う通りだ!だから俺は決めたぞ!」

イリア
「決めたって?」

マリオ
「奴らは、今日テックIIを完成させるんだろ?
だったら、そいつの自我が強くなる前に叩き壊してやるんだ!そうすりゃ問題無い!」

ルイージ
「さすが兄さん!」

イリア
「そう言ってくれると思ったぞ。
私は、アナタの護衛だけでなく、バツガルフのテックII開発の阻止も命じられているからな」

マリオ
「それじゃあ、アンタの傷が治り次第、奴らのアジトに乗り込んで…!」

イリア
「待て!」


と、イリアはどう言う訳か、
アジトに乗り込んでテックIIを破壊しようと息まくマリオを止める。


マリオ
「な、何だよ!?」

イリア
「やる気があるのは結構だが、1つ問題がある」

マリオ
「問題?」

イリア
「単に叩きのめすだけでは、妨害にあったと思ってテックIIを作り直してしまうかもしれない。
これでは、何の解決にもならないぞ」

マリオ
「あぁ、そうか…」

ルイージ
「じゃあ、バツガルフに未来の事を話して説得した方が良いって事?」

イリア
「そう言う事だ」

オヤ・マー博士
「だが、まだ現実に起きてない事だしのう…」

マリオ
「おまけに、敵である俺達の言い分を信じてくれるとは思えない。
どうにか出来ないだろうか?」

ルイージ
「うーん…」


マリオのその言葉に、ルイージは腕を組んで考える。


ルイージ
「そうだ!」


そしてルイージは、頭に電球を浮かべ、何かを思いついた。


マリオ
「何か思い付いたのか?」

ルイージ
「うん!バツガルフを600年後のキノコワールドに連れてっちゃえば良いんだよ!」

マリオ
「なるほど、それはグッドアイディアだな!」

オヤ・マー博士
「しかし、どうやってバツガルフを未来に連れて行くんじゃ?」

ルイージ
「博士がこの間(マリルイ2)開発したタイムマシンを使えば良いんだよ。
アレまだあるでしょ?」

オヤ・マー博士
「あぁ、アレか?残念だが、もうない」

ルイージ
「そうそう、もうない!…えっ!?」

マリオ
「おいおい、どう言う事だよ?」

オヤ・マー博士
「それがのう…この前、過去の世界に出かけたピーチ姫が、
ゲドンコ星人にさらわれたり、きゃつらの作ったモンスターやゲドンコ姫の姉が
この時代にやって来た事件があったじゃろ?」

マリオ
「あったけど…」

オヤ・マー博士
「それが原因で、キノコ王国軍にタイムマシンとコバルトスターを取り上げられてしまったんじゃ。
今頃マシンは解体され、コバルトスターも厳重保管されておる事だろう。
マシンはともかく、あのスターはまだまだ研究の余地があったのに、
残念で仕方ないわい…」

マリオ
「何とかして、また作れないのか?」

オヤ・マー博士
「出来ん事は無いが、スター無しで1から作るとなると、完成に5ヶ月は掛かるぞ」

マリオ
「そんなに待ってられるか!」

イリア
「まあ、落ち着け。そんなものが無くても、コレがあるから…」


そう言ってイリアは、懐から黄色い球体を取り出す。
見た所、機械のようだが…?


マリオ
「それは?」

イリア
「私が、帰る手段も持たずに、この時代に来たと思ったか?
コイツは、奴らの施設にあったタイムマシンを元手にウチの開発チームが作った簡易タイムマシン…
名付けて『タイムボール』。使い捨ての帰還用だから、600年後の未来に飛ばす事しか出来ないが、
バツガルフを向こうに連れて行く手段としては、充分だろう?」

マリオ
「なるほど…けど、それ片道なんだろ?こっちに帰る手段は…」

イリア
「その辺りは心配いらない。
奴らの施設にあったタイムマシンは、私達の拠点に移してある。
この時代に戻る時は、そっちを使えば良い」

マリオ
「じゃあ、決まりだな。後は、向こうが信じてくれるかどうかだが…」

イリア
「仮に信じなかった場合は、メガバッテンの抹殺も考えておく必要があるが…
『彼』がいればあるいは…」

オヤ・マー博士
「『彼』?イリア君、彼とは誰じゃ?」

イリア
「テックIIを良く知る人物だ。
その人が、私達にテック・ミレニアムの正体や出生の秘密を教えてくれたんだ。
そして、バツガルフのテックII開発の阻止を頼んだのも、その人だ」

マリオ
「だから、あんなに詳しかったのか」

オヤ・マー博士
「なるほどのう。じゃが、他にまだ気になる事があるぞい」

イリア
「気になる事って?」

オヤ・マー博士
「テックIIは、何故この時代にM-1000を送ったんじゃ?」

イリア
「え…?」

マリオ
「何言ってるんだよ博士。奴の目的は俺を殺す事だって、さっきイリアが…」

オヤ・マー博士
「確かに、きゃつらの目的はそれで間違いないだろう。
じゃが、送り込む時代がちと昔過ぎやせんだろうか?」

イリア
「それは、どう言う意味だ?」

オヤ・マー博士
「なんじゃお前さん、タイムスリップしておいて、何も気にならなかったのか?
考えてみろ、M-1000の目的がヴェネトの抹殺ならば、
何故テックIIは、わざわざ大昔の先祖を殺すなどと言う手段に出たんじゃ?
ワシがテックIIなら、ヴェネトを産む前の母親か結婚前の両親を消しに行かせるぞい」

イリア
「! 言われてみれば…!」

ルイージ
「じゃ、じゃあ、M-1000は兄さんを殺す以外の意図もあって送り込まれたってこと?」

マリオ
「けど、アンタ奴らの計画を聞いて来たんだろ?」

イリア
「実は、私達が奴らから入手できた情報は一部分だけで、
辛うじてハッキリしていたのは、マリオ抹殺計画の事だけだったんだ」

オヤ・マー博士
「一部分だけしか聞いておらんとは…
それで良く、きゃつらの計画がマリオ君抹殺だけだと思ったものじゃな」

イリア
「すまない…奴らの目的の大半は、それくらいだろうとばかり思ってて……」 ルイージ
「けど、そうだとしたら、他に何の目的があるんだろう?」

イリア
「今のところ見当がつかない…」

マリオ
「だよな。だから、とりあえず今は、やるべき事をやるしかない」

イリア
「そうだな…『いたいのいたいのとんでけ』!」


ポウ!

そう言ってイリアは、自分に回復魔法を掛け、傷を回復させた。


ルイージ
「もう大丈夫なんだね」

イリア
「心配をかけたな。後は、回復アイテムを使うだけだ」

オヤ・マー博士
「ではルイージ君、冷蔵庫にスーパーキノコがあるから、持って来てくれ」

ルイージ
「OK!」


オヤ・マー博士の指示に、ルイージはスーパーキノコを取りに部屋を出ていく。
一方、マリオはある事を指摘する。


マリオ
「そう言えば、義足は直さないで良いのか?さっきので、穴まで空いてたし…」

オヤ・マー博士
「そうじゃな、せっかくだからワシが直してやるぞい」

イリア
「気遣いは嬉しいが、このままで良い」

オヤ・マー博士
「何故じゃ?」

イリア
「この時代に、私達の時代の機械や技術を残したり、
構造を知られるような事をしてはいけないからだ。自分の足は自分で直す」

マリオ
「大丈夫なのか?」

イリア
「大丈夫…支援が届かない時の事を考えて、
ある程度の修理の技術や修理用のグッズを持っているから」

オヤ・マー博士
「じゃが、ワシが直した方が早いと思うぞい」

イリア
「すまない…どうしてもダメなんだ」

ルイージ
「イリア、持ってきたよー」


そこに、ルイージがスーパーキノコをもって戻って来た。


イリア
「ありがとう。じゃあ、私は向こうで修理してくるから、
アナタ達はその間にメガバッテンのアジトに行く方法を考えててくれ」


と言い残し、イリアはルイージのスーパーキノコを受け取ると、部屋を後にした。


ルイージ
「あれ?どうしたの?」

マリオ
「この時代の人に、自分の義足を修理させる訳にはいかないから、自分で修理したいんだと」

ルイージ
「そうなんだ…ところで、アジトに行く方法を考えてろって、どういう事だろう?」

マリオ
「そりゃあ、奴らのアジトは、この星には無いから…あ!そうだった!」

オヤ・マー博士
「どうした?」

マリオ
「奴らのアジトは月にあるんだよ!だから、普通に行くのは無理なんだ。
そうか、だから彼女あんな事を…」

ルイージ
「言われてみるとそうだったね。
けど、確かアイツらのアジトって、ゴロツキタウンの地下からも行けるんでしょ?」

マリオ
「あぁそうだ。だが、こんな状況でゴロツキタウンまで行けると思うか?
M-1000に見付かる事はおろか、途中で台風にブチ当たるぞ」

ルイージ
「そうか…いったい、どうすれば…」

オヤ・マー博士
「安心せい、こういう時こそワシの出番じゃ!
スーパーオバキュームを宇宙用に改造してやろう。それならば問題無いじゃろう?」

マリオ
「さすが博士だ!早速頼む!」

オヤ・マー博士
「よし、そう言う訳でルイージ君、手伝ってくれ!」

ルイージ
「え?何で僕が?」

オヤ・マー博士
「では、少し待っとれ、超特急で作ってやるからのう」


と、突っ込むルイージの腕を引き、オヤ・マー博士は部屋を出て行った。


ルイージ
「いや、だから何で僕が手伝うのー?」




そして、16分後の10時10分頃…

イリアが、戻って来た。


マリオ
「戻ったか。随分と遅かったな」

イリア
「故障がかなり酷くてな。右の歩行機能を正常化させる事しか出来なかった。
完全に直すには、一度向こうに帰る必要がありそうだ…」

マリオ
「そうか」

イリア
「ところで、ルイージとオヤ・マー博士は?」

マリオ
「あの2人なら、今アジトに行く手段を作っているところだ。
そう言えば、あっちも随分と長いな…」

オヤ・マー博士
「マリオ君、出来たぞい」


と、マリオが行った丁度良いタイミングで、オヤ・マー博士が戻って来た。


イリア
「オヤ・マー博士」

オヤ・マー博士
「おぉ!イリア君も戻っておったか!
スーパーオバキュームの改造が終わったから、表に来てくれ!」

マリオ
「OK!行くぞ!」


2人はオヤ・マー博士と共に、地上にある入口まで足を運ぶ。
そして、行ってみればそこには、スペースシャトルのようなエンジンと翼が生えた、
スーパーオバキュームと、それに乗ったルイージが待っていた。


イリア
「これが、彼らのアジトに行く手段か」

オヤ・マー博士
「その通り!宇宙用スーパーオバキューム改め『スペースオバキューム』!
運転用のプログラムは全てルイージ君に組ませてあるから、操縦は彼に任せるが良い」

ルイージ
「そう言う訳だから、2人共早く乗って!」

マリオ
「なるほど、だからルイージに手伝わせたのか」

イリア
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうか?」


こうして2人は、スペースオバキュームに乗る。


ルイージ
「じゃあ博士、行ってくるね」

オヤ・マー博士
「あぁ。生きて帰って来いよ」


ゴオォォォ――――!!!

オヤ・マー博士に見守られながら、マリオ達を乗せたスペースオバキュームは発進。
空の彼方=メガバッテンのアジトがある月のある、宇宙へと飛び立ったのだった…





彼らが飛び立ってから10分後の10時20分…

M-1000は、キノコタウンの港を歩いていた。


M-1000
「おかしい…町全体をくまなく捜索したにも関わらず、奴らの姿が無いとは…
まさか、差し金が負傷している事を逆手にとって、遠くへ逃げたと言うのか?
そうだとすれば、発見は困難だろう。…………」


マリオの策にハマめられた事にようやく気付いたM-1000は、どう言う訳か東の方角に目を向ける。


M-1000
「…やはり、奴らを差し金と出会わせるべきではなかった。
事実、ターゲットの抹殺が困難となってしまった。
よって、任務をType-A(タイプ・エー)からType-B(タイプ・ビー)に変更する」


バヒュウゥゥ―――――ン!!

そう言ってM-1000は、3号クンのジェットブースターを背中に出現させると、
猛スピードで東の方へと飛び去って行った。

しかし、彼の言う任務のType-Bとはいったい…?





       第3話終わり。

              第4話へ続く・・・









〜あとがき〜



R版第38部、第3弾完成。
原文との違いを…

偽ルイージ・・・原文では、M-1000はすぐに偽者としての本性を現してるのですが、
それだと、わざわざルイージに化けた意味がないので、マリオを殺す隙を突くために惑わせるに変更。
この辺は他所のまとめと同じですが、こちらでは差別化のために
マリオは策が思いつかず、イリアに助けられる展開に変更しました。
(それに、難しい計算式による引っ掛けで正体突き止めるネタは、既にイヤミン刑事にさせましたし)


逃げ込んだ先がオヤ・マー博士の研究所・・・原文でも博士は登場しますが、役立たずすぎて酷いのと、他所のまとめを参考にしたため。
一応、小屋の補強云々のくだりは差別化のために変更。
それ以外はあちらとほぼ同じですが、せっかくなので
こちらではマリルイ2のタイムマシンのその後や、改造したスーパーオバキュームが実際に登場するなど、
向こうのまとめでは入れられなかった展開も入れてみました。


サイバーキノコカンパニー・・・原文ではマイクロキノコ社(元ネタはマイクロソフト社か?)と言う名前でしたが、
まとめではターミネーターのパロディである事を強調する為、サイバーダイン社(元ネタ作品に登場する、スカイネットやターミネーターを作った会社)
を元ネタにした名前に変更。社じゃないのは個人的にしっくりこない響きだったため。
また、多数の分野に手を出してる企業という設定も追加したため、テックIIの回収もこの会社が全て行った事にしました。


テックII・・・まずは名前の表記を、テック2からテックIIに変更し、
それに伴いフルネームもTEC-XX・マーク2からTEC-XX Mk.IIに変更。
原文は恐らくバッテンダー・マーク2みたいなノリの表記だったのでしょうが、
テックの場合、元々が英語表記のキャラだったので、どうもマーク2表記だとしっくり来なかったと言う訳で、こうしました。
また、原文ではこの時点では彼女が女帝化した原因は不明でしたが、
こちらのまとめでは、設定を変更したうえで今回の時点で全て明かしました。
原文ではあるキャラの仕業と言う設定でしたが、それだと矛盾が生じる上に、
その解消のために意外な展開も思いついたので…(例によってそれが何なのかは、現時点では秘密)
また、テックIIが完成した日も明確に。原文だとはっきりとした完成日を教えられていないのに、
何故か今から止めに行こうと言う流れになってて、当時参加していた時から「?」だったので。


マリオネーター・・・まず、誕生の詳しい経緯も追加。原文ではテックIIがサイバーキノコカンパニーに改良された時点で
作られたような説明がありましたが、それだと最初のイリアの説明と矛盾する上に、
何故マリオ型になったのか、何故こんな名前になったのかと言う疑問の解消のためにこうしました。
ちなみに、当初は戦車型だったという設定やMシリーズの名称は、元ネタのターミネーターの設定を踏襲したものです。
要は、パロディであることを分かりやすくするための変更となります。
また、Mシリーズの大本になった兵器のカーメネーターという名前は、
マリオくんか何かで登場したターミネーターのパロキャラから、そのまま拝借しました。


惨劇の日・・・原文には無い、まとめオリジナルの名前です。元ネタは言うまでも無くターミネーターシリーズの審判の日。
せっかくのターミネーターのパロディなのだから、
核攻撃があった日になんか名前が無いと…と思って名付けました。


対抗軍誕生秘話・・・原文では簡素にヴェネトが立ち上がったとだけ説明されていましたが、
こちらのまとめでは、ヴェネトがそうなるまでの詳しい経緯を追加。
こうしたのは、何か理由があるだろうと思ったのと、『ある施設』が登場する伏線を張る為です。
また、原文では彼の立ち上げた軍団の名前は特にありませんでしたが、
惨劇の日同様の理由で、このような名前を付けました。元ネタは言うまでも無く、抵抗軍です。

ちなみに、18年間戦い続けたという設定ですが、
原文だとテックIIが回収・反乱を起こしたのがマリオ達の時代から580年後、
M-1000が作られたのは、さらに20年後の600年後と言及されていたのを見て、このような設定となりました。


イリア・・・原文と違い、最初からテックIIが狂った原因を全て知っており尚且つテックIIの開発阻止も目的で、
そのうえ両足とも義足と言う設定に変更。
両方義足なのは、ジェットブースターを問題無く使えるようにするため(片足だけ義足だと、もう片方の足がジェットブースターのスピードに着いて行けない)
ですが、一応機械帝国での戦いによる痛々しさを強調する意図もありました。
また、男口調に変更したのも、精鋭戦士である事を強調する為です(おまけに原文の内容見る限り、38部のプロット発案者的には、
こちらの口調が正式なものであるっぽい)更に、自分がマリオの子孫と明かす展開を、
これまで出て来た情報のおかげで、マリオが先に気付いてしまったに変更したため、
ファイアボールを出す展開も、子孫である事を証明するから、強調する為に変更。
また、未来に行く手段をこの時点で明かさせました(この辺の展開は、自分もかかわっていましたが、
今になって考えると、やはりこの時点で説明しておくべきだろうと感じたため)


M-1000の他の目的・・・原文ではこの時点で何も触れられませんでしたが、こちらのまとめではその辺を疑問に思う展開を追加。
理由は、「どうして元ネタみたく、若い頃のヴェネトの母親の方を殺しに行かなかったのか?」
と言う疑問があったので、その天の解消と、
「何でテックIIが女帝化した原因は何だろう?」と疑問に思う展開の代用の為です。
無論、その後のM-1000の行動の伏線も兼ねております。


上げられる変更点は、以上です。

他の変更点は、各自確認してくださいませ…



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