「良い切れ味…お手入れバッチリって感じ?」

「クッ…!」


右頬の血を拭い、咲夜はキッとした様子でさと見を睨み付けた。


「なによその顔?
…ああ、コイツを返して欲しいの?
別に良いじゃない、1本くらい私が持ってったって。
沢山持ってるんだしさあ…」

「!」


ガキッ!

嫌味ったらしいさと見の言葉に、
咲夜は奪われたものと別のナイフを取り出すと、
カッとなったように彼女を突こうとする。
だが、さと見は奪ったナイフを逆手持ちにすると、
余裕の表情で咲夜のナイフを刃先で受け止めてしまった。


「なっ…!」


余りにも器用な受け止め方に、咲夜は驚く。
そして、そのまま押し切って突こうと力を入れるも、
先程指で受け止められた時と同様、ビクともしない。

そんな彼女に、さと見は呆れるような、
面白がるような顔をしながらこう言った。


「へぇー、どうしても返して欲しいんだ。
それなら返してやらないことないわよ。
でも…」


そう言いながらさと見は、
右手を第三の目の瞳の上側に移動させる。


「私に一発食らわせてくれたらって条件付だけどね!」


と、さと見はマッチをするかのように、
第三の目の瞳の上にやった右手を、振り下ろす。
すると、さと見の第三の目が閉じ、さと見の姿が消えた。


「な!?消えた!?」


目の前で姿を消したさと見に驚く咲夜。

これは妖精メイド達も同様で、パチュリーも驚いている。


「ど、どう言う事?姿を消すなんて…
いや、姿どころか気配まで消えた?
なんだか、まるで…」

「こいしのようだ…」

「え?」


パチュリーが思ったことを見透かしたかのように、
レミリアは一言こぼす。
これにパチュリーは目をやり、レミリアもパチュリーに目をやる。


「違った?」

「いいえ。
この感じはこいしに無意識を操られた時と、良く似ているわ」

「そうよ。でも、良く似ているは間違いね。全く同じよ」

「全く同じ?…ま、まさか!」

「そのまさかよ。
あのさと見って覚り妖怪、
どう言う訳かさとりとこいしの能力両方を持ち合わせているのよ」


「なるほど。
普通の覚り妖怪じゃない…
あれは、そう言う事だったのね…ゴホッ!」


謎が解けたようで納得しつつ喘息で咳き込むパチュリー。

一方、咲夜も何が起きたのか理解していた。


「なるほど…
この感じ、こいしのように無意識を操って、
自身の存在を感知できなくしたのね?」

「その通り!!」

「っ!」


と、さと見は背後から姿を表わしてナイフで咲夜を突こうとしたが、
それを察知した咲夜は、華麗な動きでかわした。


「今のを避けるなんて。
ふーん…アンタ凄いね。
さっきもそうだけど、
良く無意識を操ってる私を察知出来るわね」

「(さっきも?)
別に…貴女の様な子と何度か会ってるから…」

「こいしの事ね?
分かってるわよ、アイツが無意識操れる事も、
第三の目と心閉ざした事も、主人から聞いている。
でも、私みたいなタイプは初めてでしょう?
心を読む程度の能力と無意識を操る程度の能力を両方使える私に驚いてるのが見えるわよ」

そう言うさと見の第三の目はいつの間にやら少しだけ開いていたが、
さと見が全部言い終えると、
その瞳はすぐに閉じた。


「なるほど、貴女はそれを自在に開閉出来るのね?」

「その通り」

「そう…フッ、本当に覚り妖怪はお喋りね。
わざわざ言わなくても良い事を言って、隙を作る!!」


と、咲夜は懐から六本のナイフをさと見目掛けて投げつけた。


「隙?隙ってなんの事?」


バサッ!

それを見たさと見は、両腕を大きく広げた。
すると、信じられない事が起きる。

なんと、彼女が身に纏っているケープのような物が、
自身全身を覆えるほどの大きさのマントのぐらいのサイズにまで、
大きくなったのだ!


「これは余裕よ!!」


そして、さと見大きくなったケープのような物で身を包める。
すると咲夜のナイフはそのケープのような物にぶつかり、
全て弾かれてしまった。


「!?」

「フフフ…驚いた?驚いたでしょう?
みーんな騙されたわね…
このケープみたいなのはね、ただの着飾りじゃないんだ。
コイツも立派な戦利品なのよ。ついでに…」


ケープのような物からニッと目だけを覗かせつつ、
さと見はそこまで語ると、
ケープのような物にプリントされた赤い目玉が赤く発光し始める。


「この目玉模様も、飾りじゃない!」

「!!」


ビッ!

そして次の瞬間、
ケープのような物の目玉から赤いレーザーが発射され、
最初の発光からそれを感じていた咲夜は、飛んで回避する。
だが、レーザーはなおも発射され続け、咲夜を狙う。


「単純ね」


だが、咲夜は放たれるレーザーの合間をぬって回避し続ける。
その表情は余裕の一言に尽きる。
スペルカード戦の感覚なのだろう。

だが、今はスペルを破って勝つスペルカード戦による遊びの決闘ではなく、
どちらかを叩き潰すまで続く正真正銘の決闘だ。
避けるばかりでは勝ちにならない。
ならば、ここはレーザーの合間をぬって相手の懐に飛び込むしかない。

そう思った咲夜は、飛び交うレーザーの合間をぬって回避しつつ、
ケープのような物に包まり、
固定砲台のようになったさと見との距離を縮めていく。
この手の事はスペルカード戦で慣れっこである咲夜にとっては、
造作もない事であった。


「!」

「やぁ―――!!」


ズザ――――ッ!!!

そして、懐に飛び込んだ咲夜は、
勢い良くさと見を押し倒す。
余りにも勢いが良かったせいか、
2人は地面を滑り、辺りに土煙が上がる。


「あの攻撃を潜り抜けるなんて、やるわね」

「咲夜にとっちゃこんなの朝飯前よ」


感心するパチュリーと誇らしげに語るレミリア。


「…かと言って。そう簡単には行かないようね」

「え?」


だが、すぐにパチュリーは表情を変える。
表情の変化の意味が分からなかったレミリアだったが、
パチュリーが無言で指差した先を見て、どうしたのか理解した。


「なっ…!」


一方、咲夜も驚いていた。
何故なら、そこには自身にマウントポジションを取られたさと見の姿はなく、
元のサイズに戻ったケープのような物と帽子だけが残されていたからだ。


「くっ!何処へ行った!?」


本体を取り逃がし、悔しげな顔をした後、
咲夜はナイフを三本、左手の指の間にはめて構えつつ、辺りを見渡す。

一方、レミリアも驚いている。


「なんて奴なの!?あの状況で抜け出すなんて…!」

「でも、いくら無意識を操れるからって、あんな距離で逃げられるのかしら?」


そんな親友に対して、パチュリーは疑問を浮かべる。

だが、他の者達もさと見が何処にいるのか気がかりで、
そこまで頭が回らない。





と、その時。


「どーこ見てるのよ。私はこっちよ」

「ん!?」


後ろからさと見の声が聞こえ、咲夜は振り向く。
するとそこには宙に浮かんださと見が、
背を向けている。

無論、先程まで着けていたケープのような物も帽子も無く、
普段は見えない服の背中側と帽子の中が露わになっており、
前者は魔方陣を思わせる目玉の紋様が描かれており、
後者は癖の強い髪の中に銀色に輝くヘアバンドがあり、
そこに第三の目のコードの内の1本が、
さとりの第三の目のコードのように伸びていた。

そう、彼女は帽子の中にヘアバンドを着けていたのだ。


「フフッ…」


と、さと見は左目のある側の顔を向ける。
黒く太い縦線が入った真っ赤で光が無い不気味な目で、
悪そうな笑みを浮かべると、
右手の平を広げ、
その手にシュンっと音を立てエネルギーらしきものが溜まる。
そして、溜まりきるとさと見はその手を握った。


「とっておきだ…食らえ!!」


ビシューン!!

そう言いながらさと見は、
振り向きながらエネルギーらしきものを溜めた右手から、
緑色の大玉を咲夜目掛けて放り投げた。


「ふっ!やっ!」


ズドォ―――ン!!!

それを見た咲夜は、飛んできた大玉を後ろに飛んで回避。
狙いを大玉は地面に着弾した途端に爆発。
その直後、咲夜左手の指にはめていたナイフ三本を投げた。


「無駄な事を…今打ち落としてやる!"「バンドラッガー」"!!」


カキン!

飛んで来るナイフを見たさと見は、信じられない行動を取る。
何と、ヘアバンドをブーメランのように投げて、
ナイフを打ち落とした後、さと見の手に戻ったのだ!


「え!?」

「ヘヘッ、驚いた?まあ、驚くわよね。
ヘアバンドをブーメラン代わりにする奴なんて、まずいないものね。
フフフフ…アハハハハ!」


と、笑いながらさと見は体を回転させ、
自らを抱きしめるようなポーズをとる。


「"乙女「二十歳はたちの恋心」"!」


シューン!

そして何度か体を回転させた後、
自らを抱きしめていた両腕を解放すると、胸から黄色いハート弾が何発も飛び出した。


「はっ!ふんっ!」


だが、咲夜はありきたりな弾幕だと思いながら、これらを軽々と回避する。


「まだまだ、こんなの序の口!"「可愛い顔には裏がある」"!ちゅっv」


シューン!ビシュシュシュシュ!!

次にさと見は、可愛らしい表情でウィンクしながら両手で投げキッスをすると、
こいしのハート弾幕の如く大量のハート弾を発射した後、
体をグルリと大回りさせる。
だが、大回りして再び咲夜の方に向いた彼女の顔は、
非常に凶悪になっており尚且つ第三の目も開いていた。
そして、それと同時にさと見は両腕を真横に伸ばすと、針状のレーザー弾をハート弾幕の隙間に飛ばす。

ハート弾幕とレーザー弾の二重弾幕だ。


「くっ!」


弾幕の隙間に別の弾がある攻撃に、
さすがの咲夜も回避が難しく、
先程のような余裕の回避が出来ず、何度も当たりそうになる。

その姿を楽しげにさと見は見下ろす。


「どう?さすがのアンタでも、コイツはキツイでしょ?」

「…フッ」

「ん?」


キツイ弾幕の中に晒されていると言うのに、
咲夜は急に不敵な笑みを浮かべる。

そんな彼女の表情に、さと見が首を傾げた次の瞬間―――!




「"「咲夜わたしの世界」"
時よ、止まりなさい!」


咲夜はスペルを唱え、両腕を振り上げると、
瞳が赤くなり、咲夜を除く周りの時間が停止。
さと見と弾幕の動きが完全に止まった。


「時は止まった…
間抜けな覚り妖怪ね。あの姉妹のようには行かない、
私のバトルスタイルを調べる為に手を抜いた、
そう言っていたけどやっぱり口先だけね。
あのさとりですら私の能力を第三の目で見抜けたと言うのに、
貴女はさっきからこの力に全然気が付いていない。
そんな貴女が私に勝とうと思うなんて、無駄な事なのよ」


止まったさと見に向かって呟きながら、
咲夜は完全停止した弾幕の間を潜り抜け、
さと見の前まで近付くと、
今持っているありったけのナイフを彼女の近距離に設置した。


「設置完了…この間役5秒…
ギリギリなんとかなったわね」


そう言いながら懐中時計を目にする咲夜。
この懐中時計は咲夜同様、
周りの時間が止まっている中動き続けており、
時計の秒針は咲夜がスペルを発動させてから、5秒経っていると指していた。

そして、この5秒は何を意味するのかと言うと、
咲夜が発動させたスペルにより時間停止させられる時間。
この咲夜の世界と言うスペルは、5秒の間時間を止め、
その間に敵の周りにナイフを設置する、そんなスペルなのである。


「そして、時は動きだす…」


懐中時計を見ながら咲夜は呟くと、
彼女の目の色は赤から元の色に戻り、止まった時間が動き出した。


「ん?…はっ!?」


止まった時が動き出した事により、さと見は動き出す。
だが、時間停止は使用者以外が感知する事は基本的不可能であった為、
さと見は前触れも無しに、
しかもすぐ目の前で大量のナイフに取り囲まれているようにしか感じず、
突然急転した自分の状況に驚く。

ヒュヒュヒュ!

だが、そんな彼女の事などお構い無しに、
時が動き出したナイフは容赦無しにさと見に向かって飛ぶ。

この瞬間、咲夜も周りの者達も今度こそ勝負合ったと確信した。







だが―――!


フッ!


「なに!?」

『!?』


次の瞬間、咲夜も周りの者達は我が目を疑った。
何故なら、突然さと見の姿が消えうせ、
動き出したナイフは狙いを外してお互いぶつかりあい、
落ちてしまったからである!


「ど、どう言う事!?」

「"逃げられない距離に置いたのに!"」

「!」


自身の心を読むさと見の声が聞こえ、咲夜は地上に顔を向ける。
するとそこには、
先程地面に落ちっぱなしになっていたケープの様な物を拾い、
服に着け直しているさと見の姿があった。


「な…!あ、貴女…!」

「"なんで!?"
驚いてるわね。まあ、無理も無いか。
心を読む程度の能力、無意識を操る程度の能力を駆使しても、
あんな至近距離のナイフ包囲網を突破する事は不可能。
前者は言うまでも無いし、
後者は存在を感知できなくなるだけで、本当に消えてる訳じゃない。
だから、さっきみたいな攻撃の回避には不向き…」


そう言いながらさと見は帽子を拾い、
砂を払い落すと、両手で空中に放り投げて頭にはめる。
そして、こう続けた。


「でも、これならどうかしら?」


フッ!

次の瞬間、さと見の姿がまた消えた。


「!…うぐっ!?」


一瞬驚く咲夜だったが、突然ズシっと頭が重くなる―――
と言うより、誰かに頭を掴まれたような感覚が走る。
そこで咲夜は自身の真上に目を向けた。

すると―――




「フフーンw」


なんと、そこには咲夜の頭で右手だけで逆立ちしているさと見の姿があった。
(余談だが、この時彼女のスカートはめくれて中身が見えているが、
実は白いドロワースなので問題無い)

「なっ!?」

「どう?驚いた?」

「…!」

「"どんなトリックを使ったの?!"
トリックでも何でもないわよ。見てよ第三の目開いてるでしょ?」

「じゃあ…!」

「"いったいなに!?"
まだ気付かないの?私ね、短距離をワープ出来るのよ」

「ワープ?」

「ええ…さっき、アンタが私のレーザー振り切って突っ込んだ時、
私消えてたじゃない。
実はアレもワープを使って逃げたのよね」

「こしゃくな…!」


ムッとしながら、咲夜は両腕で頭上のさと見を掴まえようとしたが、
さと見はワープで回避。
咲夜より正面斜め上の位置に移動する。


「こしゃく…ね。
こしゃくなのはそっちじゃないの?」

「なに!?」

「"どう言う事だ!?"
どうもこうも、アンタさっき私の時間止めて翻弄したり、ナイフ置いたりしたじゃん」

「!?」

「"気付いていたの!?"
当り前さあ。最初に手を抜いてた時から、気付いていたわよ。
それなのに、アンタは気付いていないと思い込んで…
貴様、本当にさとりの知り合い?
本当にアイツとスペカ戦やった事ある人なの?
私達覚り妖怪の第三の目で全てお見通し…心の声は絶対に聞きもらさない」

「貴様…!」


バカにされたような気分になり、咲夜は怒りの目を向ける。
だが、さと見は動じない。


「なに?
ああ、気付いてた癖に気付いてないフリしてたのが気に入らなかったの?
なるほど納得…
でもアンタ、私に自分が考えている事を言われるのが嫌だったんじゃなかったっけ?」

「!"奇術「エターナルミーク」"!!」


ピシュンピシュン!

さと見の言葉に一瞬表情を濁した咲夜だったが、
すぐに気を取り直し、
自身の周囲から大量の青い玉を発生させ、
さと見目掛けて放ち、弾幕を張る。


「さっきまでとまるで違う攻撃…
なるほど、今のでナイフを全部使っちゃったから、
その時の為の技って訳。そこまで考えているとはさすが。
でも…無駄ね」


そう言うとさと見は、弾幕の中に突っ込む。
普通なら無謀な行為だが、
先程言っていたワープ能力を持つさと見にとっては、何でも無い。

それを見た咲夜は、玉の量を増やしてみるも、
隙間を塗ったり、ワープを使ったりして避けるさと見には全く当たらない。


「アッハハハ!どんなに玉を増やしても無駄よ!無駄無駄無駄ぁ!!」


豪語しつつ玉を避けるさと見。
そうしている内に、彼女と咲夜の距離はみるみる内に縮まる。

そして咲夜の近くまで来たさと見は、
咲夜から奪い取ったナイフをまた取り出し、構える。


「うらぁ―――――!!!!」

「!!」


刺突を仕掛けようと叫びながら構えたナイフを突き出し、
弾幕を避けながら迫るさと見。
それを見た咲夜は、避けようと思った。

だが―――




フッ!

さと見は咲夜のすぐ前まで来た瞬間、また姿を消した。


「!今度は何処へ…!?」

「ここよぉ!!」


姿を消したさと見を探し呟く咲夜。
すると、真上からさと見の声が聞こえた為彼女は頭上を見上げると、
そこには急降下しながらナイフで刺突攻撃を仕掛けようとするさと見の姿が―――!


「うりゃぁ―――――!!」

「くっ…!」


ズゥ――――ン!

咲夜はその攻撃を寸前の所で回避。
狙いを外したさと見は、そのまま一気に地上に突っ込み、
その衝撃で周囲に土煙を上がった。


「ね、ねえ…何かちょっとヤバくなって来てない?」

「そうね…心を読んで、無意識も操れて、
おまけにワープまで出来ちゃうなんて…」

「し、死角無いじゃない!あんなのに咲夜さん勝てるの?!」

「お、お穣様…!」


次々と明らかになるさと見の能力と、
目の前の戦況に、
先程まで咲夜が勝てる要素があると思っていた背が高い方を除く妖精メイド達の表情に焦りが見え始め、
その内の1人がレミリアに問いかける。


「大丈夫よ。あんな能力を持っているからと言って、
咲夜がまだ負けた訳じゃないわ。
もう少し様子を見ましょう」

「は、はい…」


そんな状況とは裏腹に、レミリアは落ち着いた様子で妖精メイドの内の1人を諭す。
だが、そう言うレミリアも額から冷や汗を垂らしており、
彼女も彼女で焦りの色を見せていた。


「(レミィ…)」


それに気付いていたパチュリーは、
心配そうに親友の顔を見るが今はどうする事も出来ない。
彼女も仕方なく、さと見と咲夜の決闘を引き続き観戦する事にする。

厄介な能力を使うさと見を前に、
徐々にだが、戦況はさと見の方に傾きだす。

咲夜は、妖精メイドの1人が予感していた通り、
さと見に負けてしまうのか?

それとも…



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